逗葉地域に於ける医療構想の構築

 逗葉地域の人口、9万人、医療機関は、診療所68、病院2(一般病床50,療養77床)、有床診療所5、逗葉地域医療センター(夜間休日診療、住民検診、訪問看護センター、在宅支援センター、介護ヘルパーセンター)、半径15km半円内に、200床以上の総合的病院が11有る、という医療環境の中で、この地域に求められる理想的な地域医療構想の構築を検討した。

 
逗葉医師会員のあり方

1) 各医師がそれぞれの専門性を生かし有機的に連携し合い活用することによって、市民に何時でも手近にアクセス可能な最良の日常診療、在宅医療を提供する。
2) 医師会の企画する各種の研究会、カンファランス、臨床教育等をより充実させ、互いに研鑽を積み自浄能力を高め、プライマリーケアーの質を向上させて、市民に有益な医療を提供するよう努力する。
3) 近隣病院との病診連携を積極的に活用し二次、三次医療の確保の円滑化をはかる。
4) 市民に対する健康教育、検診、予防接種等に積極的に取り組み、予防医学の向上に努め、「人」に対する敬愛の念を深く心に留めて診療に当たる。
5) 保険診療報酬、介護保険給付等を効率的且つ適正に運用できるよう医療行政に理解を深める。
6) 地域医療に対して住民の求めるところを謙虚に受け止め地域住民に望ましい医療を提供できるよう医師会員として常に配慮する。

 以上を踏まえた上で、逗葉地域の医療体制を更に充実させる為には、この地域に不足である以下に掲げる医療機能を整備することにより、各医療機関の能力を充分に発揮させることが可能となり、市民の要望にも合致するものとして望まれる。

1)
24時間、365日対応の救急、特に小児、周産期、新生児救急(市民の要望がもっとも大きい)
2)
緊急処置が可能で会員の利用可能な外科施設
3)
緊急対応可能な脳神経施設
4)
希少な専門的疾患に対する診断治療施設
5)
急性期リハビリテーションを含むリハビリテーションの充実
6)
入院機能も有する精神科救急
7)
診療所レベルで持つことの不可能な共同利用可能な高度に専門的な医療機器の設置
8)
ホスピスを含む末期医療
9)
診療所で扱うことの出来ない伝染病に対応可能な施設
10)
多科に亘るリエゾン診療
11)
災害時医療の整備体制の強化
12)
医療従事者の育成、教育
13)
地域医療をさらに充実、発展させていくための検討委員会の常設

 これらが充足されたときに、医師会員にとっても、地域住民にとっても不安のない
満足できる理想的な地域完結型の医療構想の構築となる。

平成16年5月28日

社団法人逗葉医師会



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